基礎からわかる!切削工具はどれを使うべき?

最終更新日時: 2024/04/10 08:38

切削加工において、工具選択は加工の成否を左右する重要な要素です。使用する 材料や加工条件に合わせて最適な工具を選ぶことが、加工品質や生産性の向上に つながります。この記事では、切削工具の種類や特徴、選択のポイントなどを詳 しく解説します。

切削工具

切削工具の種類と用途

切削工具には、エンドミル、ドリル、ボーリングバー、フライス、バイトなど様 々な種類があります。 エンドミルは、平面や側面の加工に使用され、多様な刃数や形状が存在します。 ドリルは穴あけ加工に使用され、ストレートドリルやステップドリルなどのバリ エーションがあります。ボーリングバーは、穴の拡大や精度向上に使用される内 径加工に特化した工具です。 フライスは、平面や溝の加工に使用され、正面フライスや側面フライスがありま す。バイトは、旋盤加工で外径加工や内径加工、溝入れなどに用いられます。 これらの工具は、被削材の材質や硬度、加工形状や要求精度、切削条件などを考 慮して選択する必要があります。

切削工具の材質と特性

切削工具の材質は、工具の性能や寿命に大きく影響します。代表的な材質には、 ハイス(高速度鋼)、超硬合金、セラミック、CBN(立方晶窒化ホウ素)、ダイヤモンドなどがあります。 ハイスは比較的安価で幅広い用途に使用可能ですが、高速加工には不向きです。 超硬合金は高硬度で耐摩耗性に優れ、高速加工に適しています。セラミックは高 温下での硬度や耐摩耗性が高く、難削材の加工に有効です。 CBNは高硬度で耐熱性に優れ、焼入れ鋼の加工に適しています。ダイヤモンドは最も硬度が高く、非鉄金属やプラスチックの加工に使用されます。 加工対象や求められる性能に応じて、最適な材質を選択することが重要です。

切削工具のコーティングと効果

切削工具の性能を向上させるために、コーティングが施されることがあります。 代表的なコーティングには、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、TiAlN (窒化チタンアルミニウム)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などがあります。 TiNは耐摩耗性と耐酸化性に優れ、TiCNは高硬度で耐摩耗性が高い特徴を持ちます。TiAlNは高温下での硬度が高く、DLCは低摩擦係数と耐摩耗性が特長です。 コーティングを施すことで、工具寿命の延長や加工品質の向上が期待できます。 ただし、コーティングの種類や厚さは、被削材や加工条件に合わせて適切に選定 する必要があります。

切削工具の選択ポイント

切削工具を選択する際は、以下のようなポイントを考慮する必要があります。

  • 被削材の材質と硬度:加工対象の材料特性に合わせて、適切な工具材質を選択 します。
  • 加工形状と要求精度:加工形状の複雑さや要求される精度に応じて、工具の形 状や刃数を選択します。
  • 切削速度と送り速度:加工効率と仕上がり品質のバランスを考慮して、適切な 切削速度と送り速度を設定します。
  • 切り込み量と切削深さ:工具の性能を最大限に引き出すために、適切な切り込 み量と切削深さを設定します。
  • 工具寿命と交換頻度:工具のコストと交換に要する手間を考慮して、最適な工 具寿命と交換頻度を設定します。
  • コストパフォーマンス:工具の価格と性能のバランスを評価し、費用対効果の 高い工具を選択します。

これらのポイントを総合的に判断し、加工要件に最適な工具を選択することが重 要です。

切削工具の管理と最新動向

切削工具は消耗品であるため、適切な管理が不可欠です。在庫管理や使用履歴の 記録、保管環境の整備、定期的な点検などを行うことで、工具の性能を維持し、 安定した加工品質と生産性を確保することができます。また、切削工具の技術革 新も進んでいます。新材料の開発や形状の最適化、3Dプリンティングの活用、IoTを利用した工具状態のモニタリングなど、様々な取り組みが行われています。こ れらの最新技術を積極的に取り入れることで、さらなる加工の効率化と高品質化 が期待できます。

まとめ

切削工具の選択は、加工品質や生産性に直結する重要な要素です。被削材の特性 や加工条件に合わせて、最適な工具材質や形状、コーティングを選択することが 求められます。また、適切な切削条件の設定と体系的な工具管理、最新技術の導 入などにより、工具の性能を最大限に引き出すことが可能です。切削加工のプロ フェッショナルとして、常に工具の特性や性能に関する知識を更新し、最適な工 具選択と管理に努めることが、高品質で効率的な加工を実現する鍵となります。

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